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多施設共同、無作為化、二重盲検、基剤対照、並行群間比較
日本、アメリカ、カナダ
第1趾爪(対象爪)の感染面積が20~50%である軽度~中等度のDLSO(遠位・側縁部爪甲下爪真菌症)患者870例(日本人患者243例を含む)
対象をクレナフィン群又は基剤群に3:1で無作為に割り付け、1日1回就寝時に48週間塗布した。
その後4週間追跡調査を行い、有効性及び安全性を評価した。
・ 52週目の完全治癒率(感染面積0%かつ真菌学的治癒の割合)
・ 52週目の真菌学的治癒率(KOH直接鏡検と真菌培養検査がともに陰性の割合)
・ 52週目の臨床的有効率(感染面積10%未満の割合)
・ 52週目の完全又はほぼ完全な治癒率(感染面積5%以下かつ真菌学的治癒の割合)
・ 52週目の健康領域の新たな伸長
・ 有害事象
・ 局所皮膚反応(発赤、腫脹、灼熱感、そう痒感及び小水疱形成)
・ 臨床検査(血液学的検査、生化学検査及び尿検査)
・ バイタルサイン
・ 12誘導心電図(海外のみ)
評価項目の群間比較は、主に解析センターを層とするCochran-Mantel-Haenszel検定で、健康領域の新たな伸長については塗布群と解析センターを因子とする二元配置分散分析で解析した。有効性データの欠測値は最終観察値で補完した(LOCF:Last observation carried forward)。
クレナフィン群は基剤群と比べ、有意に高い完全治癒率を示しました(p<0.001、解析センターを層とする
Cochran-Mantel-Haenszel検定)。
クレナフィン群は基剤群と比べ、有意に高い真菌学的治癒率、臨床的有効率、完全又はほぼ完全な治癒率を示しました(p<0.001、解析センターを層とするCochran-Mantel-Haenszel検定)。
また、クレナフィン群は基剤群と比べ、有意な健康領域の新たな伸長を示しました(p<0.001、塗布群と解析センターを因子とする二元配置分散分析)。
クレナフィン群は基剤群と比べ、塗布後すべての評価時期において有意な感染面積の減少を示しました(52週目;
p<0.001、塗布群と解析センターを因子とする二元配置分散分析)。
〈日本人部分集団解析〉※日本人部分集団解析は事後解析であるが承認時に評価された
日本人部分集団解析において、クレナフィン群は基剤群と比べ、有意に高い完全治癒率を示しました(p=0.009、解析センターを層とするCochran-Mantel-Haenszel検定)。
日本人部分集団解析において、クレナフィン群は基剤群と比べ、有意に高い真菌学的治癒率※1、臨床的有効率※2、完全又はほぼ完全な治癒率※3を示しました(※1 p<0.001、 ※2 p=0.002、 ※3 p=0.013、各解析センターを層とするCochran-Mantel-Haenszel検定)。
また、クレナフィン群は基剤群と比べ、有意な健康領域の新たな伸長を示しました(p<0.001、塗布群と解析センターを因子とする二元配置分散分析)。
副作用は、クレナフィン群653例中49例(7.5%)、基剤群213例中5例(2.3%)に認められました。主な副作用は、クレナフィン群で適用部位皮膚炎22例(3.4%)、適用部位小水疱12例(1.8%)、適用部位紅斑5例(0.8%)、適用部位そう痒感4例(0.6%)等、基剤群で頭痛2例(0.9%)等でした。死亡を含む重篤な副作用は認められず、クレナフィン群では19例が副作用により投与中止に至りました(複数の副作用を発現した症例を含みます)。その内訳は、適用部位皮膚炎11例、適用部位小水疱4例、適用部位紅斑・適用部位そう痒感・適用部位腫脹・接触性皮膚炎各2例、適用部位湿疹・適用部位皮膚剥脱・適用部位刺激感・適用部位疼痛・適用部位反応・皮膚炎各1例でした。
クレナフィン群 | 基剤群 | |
---|---|---|
安全性評価対象症例数 | 653 | 213 |
副作用発現症例数(%) | 49(7.5) | 5(2.3) |
副作用 | 発現症例数(%) | |
全身障害および投与局所様態 | 42(6.4) | 0(0.0) |
適用部位皮膚炎 | 22(3.4) | 0(0.0) |
適用部位小水疱 | 12(1.8) | 0(0.0) |
適用部位紅斑 | 5(0.8) | 0(0.0) |
適用部位そう痒感 | 4(0.6) | 0(0.0) |
適用部位皮膚剥脱 | 3(0.5) | 0(0.0) |
適用部位疼痛 | 3(0.5) | 0(0.0) |
適用部位腫脹 | 3(0.5) | 0(0.0) |
適用部位変色 | 2(0.3) | 0(0.0) |
適用部位刺激感 | 2(0.3) | 0(0.0) |
適用部位異常感覚 | 2(0.3) | 0(0.0) |
適用部位湿疹 | 1(0.2) | 0(0.0) |
適用部位浮腫 | 1(0.2) | 0(0.0) |
適用部位反応 | 1(0.2) | 0(0.0) |
感染症および寄生虫症 | 2(0.3) | 1(0.5) |
迷路炎 | 1(0.2) | 0(0.0) |
鼻咽頭炎 | 1(0.2) | 0(0.0) |
インフルエンザ | 0(0.0) | 1(0.5) |
臨床検査 | 1(0.2) | 1(0.5) |
血中クレアチン ホスホキナーゼ増加 |
1(0.2) | 0(0.0) |
肝機能検査異常 | 0(0.0) | 1(0.5) |
筋骨格系および結合組織障害 | 1(0.2) | 0(0.0) |
四肢痛 | 1(0.2) | 0(0.0) |
神経系障害 | 2(0.3) | 2(0.9) |
頭痛 | 1(0.2) | 2(0.9) |
知覚過敏 | 1(0.2) | 0(0.0) |
皮膚および皮下組織障害 | 4(0.6) | 1(0.5) |
水疱 | 1(0.2) | 0(0.0) |
皮膚炎 | 1(0.2) | 0(0.0) |
爪床圧痛 | 1(0.2) | 1(0.5) |
爪甲脱落症 | 1(0.2) | 0(0.0) |
MedDRA/J ver.12.1
<日本人集団部分解析>
日本人部分集団に発現した副作用は、クレナフィン群184例中17例(9.2%)で、基剤群には認められませんでした。主な副作用は、適用部位皮膚炎15例(8.2%)等でした。死亡を含む重篤な副作用は認められず、9例が副作用により投与中止に至りました。
クレナフィン群 | 基剤群 | |
---|---|---|
安全性評価対象例数(日本人) | 184 | 59 |
副作用発現症例数(%) | 17(9.2) | 0(0.0) |
副作用 | 発現例数(%) | |
全身障害および投与局所様態 | 17(9.2) | 0(0.0) |
適用部位皮膚炎 | 15(8.2) | 0(0.0) |
適用部位刺激感 | 1(0.5) | 0(0.0) |
適用部位小水疱 | 1(0.5) | 0(0.0) |
皮膚および皮下組織障害 | 1(0.5) | 0(0.0) |
皮膚炎 | 1(0.5) | 0(0.0) |
MedDRA/J ver.12.1
参考資料:
1)Elewski BE, et al.: J Am Acad Dermatol, 68 (4): 600-608, 2013
2)国際共同第Ⅲ相臨床試験(DPSI-IDP-108-P3-01)(社内資料)(承認時評価資料)
3)臨床的有効性(社内資料)(承認時評価資料)
4)渡辺晋一ほか: 西日本皮膚科, 77(3): 256-264, 2015
本研究は科研製薬株式会社の支援により行われた